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「楽器はのこぎりです」と言うと大概「えっ?」と聞き返されます。
簡単に言うと、西洋の鋸(カットソウ)を楽器にしたものです。
根本が太くて、先端に行くほど細くなっていくアレです。
知らない人には、「えっ、何それ?」と言われてしまいそうですが、
外観からは想像つかないような美しくて繊細な音が出ます。
ここでは、よく聴かれる質問などを集めてみました。
他にも質問、ご意見等ありましたらお寄せ下さい。
| ・どんな音がするの? ・どんな曲があうの? ・のこぎりに楽譜はあるの? ・どうやって弾くの? ・音域はどの位あるの? ・誰が考えたの?(のこぎり音楽の歴史) ・弓は切れないの? ・楽器用ってあるの? ・刃は付いているの ・購入方法は? ・どの位響くの? ・伴奏楽器は何が良い? ・合奏は出来るの? ・楽器のお手入れは? ・早い曲は弾けるの? |
| ・どんな音がするの? |
| 「木を切りながら音を出す」と思ってらっしゃる方も少なくないようで、ギコギコといった音を想像する方、もしくは「キーッ」という耳障りな音を想像する方も多いようです。 でも実際は「ヒューン」とか「ヒョイーン」といった感じの音です。(言葉にすると難しい・・・) 鳴る原理としては、グラスの縁を擦って鳴らすのと同じ感じです。 一番有名な音が「幽霊の効果音」(元来は篠笛だったんですけど)。 あとよく言われるのが「胡弓(二胡)の音」「口笛」「風の音」「笛」等です。「テルミン」にも似てると思いますが、これ書き出すと長くなるのでやめときます。 まあともかく「のこぎり(saw)」からは連想できないような、透明で、不安定な不思議な音なのです。 そして一番の特徴は「余韻」が長く美しいことです。 top |
| ・どんな曲があうの? |
| 基本的に1枚の板を曲げ伸ばしして音階を作るので音飛びの少ない流れる感じの曲がよいです。 スローバラードや童謡、叙情歌等がよいでしょう。アップテンポの曲やマーチ、音の移動が激しいものは難しいです。 「ラブミーテンダー」「アメージング・グレイス」「夕焼け小焼け」「荒城の月」「埴生の宿」「アニーローリー」「エーデルワイス」等が最初の練習曲としては良いと思います。 これらが弾けるようになったら、次第に「難しいけど弾きたい曲」といったものにチャレンジしてみると楽しいと思います。 また最近ではいろんなスタイルでやるプレイヤーが増えてきて(合奏したりバンドでパートを受け持ったり)、今まででは考えられなかったような曲を弾く人もいます。 もっと自由な発想で色々なものに挑戦すると楽しいでしょう。 top |
| ・のこぎりに楽譜はあるの? |
| あります。 これもよく聞かれる質問ですが、初めて聴く曲(新曲など)や合奏する際には、やはり伝達手段として楽譜を使うでしょう。 ですので、必ず五線譜でなければいけないということはありません。 要は演奏者が読めればよいのです。まあ、一般には五線譜を使いますが。 でもだからといって楽譜がないと弾けないというわけではありません。他の楽器と一緒です。 top |
| ・どうやって弾くの? |
| まず使うのこぎりは三角形(台形)の形をした西洋のこぎりです。日本の両刃鋸では演奏できません。 その「柄」の部分を両足(太股できれば膝の上あたり)で挟みます。その際「刃」は自分の方に向けます。 そして刃の付いていない「峰」の部分を「弓(バイオリン等)」で擦って音を出します。または「バチ(マレット等)」で板面を叩いて演奏します。 のこぎりを挟み込んだら(右利きの人は)左手でぐーっと曲げます。 そしてここからがポイントですが@左手の人差し指、中指、薬指の第一関節をノコギリの先端に当てます。A親指はそこから5センチくらいの場所(面)に立てるように当てます。(この距離は短いほど音域が広がりますが、その分疲れるので、まあこれくらいかな?と)B親指を軸にしてノコギリ全体が軽くSの字を描くようにイメージします。Cこのときの山の頂点付近が、音の鳴るポイントとなります。 そしてそのポイントを直角に弓で擦ります。 音が出たら弓をのこぎりから離します。そうすると余韻が響きます。 ぐーっと曲げるほど高い音が出ますが、それに伴って「S字の山」ものこぎりの先端に移動します。 よって、低音は根元、高音に行くほど先の方を弾くことになります。 叩く場合は根元から真ん中あたりくらいが良いみたいです。 そしてなんと言っても特徴なのが「ヴィブラート」ですが、片足(左右どちらでも、やりやすい方を)揺らしてやることでヴィブラートがかかります。要するに貧乏揺すりです。 以上が基本形ですが、立ったまま両足に挟んで弾く人や、ヴァイオリンのように顎で固定して弾く人もいます。 自分のスタイルに合わせて工夫するのも楽しいかもしれません。 top |
| ・音域はどの位あるの? |
| サイズやデザイン(細かなバランスのこと)、それに固さ(厚み)によって差はありますが、通常は1オクターブ半〜2オクターブくらいです。 大きなものになると3オクターブ出るものもあります。 top |
| ・誰が考えたの?(のこぎり音楽の歴史) |
| 「キコリ」です。 起源は諸説あって、正確なところはわかりませんが、以前歌六師匠から伺ったところ(和田則彦さんの論文?)を書いてみます。 @北米説:北米インディアンの土着楽器。 Aスカンジナビア説:1800年代初めにスカンジナビアで演奏したのが最初。 B南米説:南米のある部族が労働家の伴奏としてマレットで打ち鳴らした。1850年頃それを見たドイツの行商人が、帰国した際に「歌うノコギリ」として製造販売したところ忽ちヨーロッパ、アメリカ全土に普及した。 上記3つが有名説ですが、中でもBが有力らしいです。 その後、20世紀にアメリカで、サーカスやバラエティショー等で盛んに取り入れられ、1920年代には寄席芸人(ボードビリアン)にとって人気はピークになった。 1921年に創立した「ミュッセル&ウェストファル社」(アメリカ)にて、年間30万挺以上の「ミュージカルソウ」を完売。 1928年 クライバーという奏者がベルリン国立歌劇管弦楽団と共演。 1930〜1940年は戦争による武器製造=鉄不足のため衰退。(但しこの説に限ってはかなり眉唾らしいですけど)その反面、奏法が更に発達してカントリーの分野にまで広がる。 1980年代 レトロブームの影響か?華々しくリバイバル。「のこぎり音楽の祖父」故トム・スクリブナーに触発されたベテラン・ソウヤーが育っていった。 また、ハチャトリアン(ロシア)、ヘンシュ(ドイツ)、オネゲル・ミヨー(フランス)、黛俊郎(日本)、松村禎三(日本)等が、この楽器のために曲を書いている。 日本には、昭和初期(戦前)から伝わっている。 これらのことは数年前のメモ書きを元に書いてありますので、新しい情報や間違った表記などありましたら是非お知らせ下さい。 また、他のサイトでも詳しく書いてあるところもありますのでそちらも参考にして下さい。 top |
| ・弓は切れないの? |
| 刃の付いてない方を擦るので、思いっきり切れると言うことはありません。1本ずつプチっと切れることはありますが。 しかし、何れにしろ鉄板の峰を擦ってるわけですから、傷みは激しいです。 ヴァイオリン等の弓を使っている方はマメに張り替えた方がよいのかもしれません。とか言ってる自分が殆ど張り替えてなかったりします(スイマセン・・・時々買い換えてはいますけど・・・) 手作りのテグス製に関しては詳しくないので、情報をお持ちの方は教えて下さい。 top |
| ・楽器用ってあるの? |
| あります。 欧米それぞれで作られています。 そしてやはり工作用よりは演奏がしやすく出来ているとも思います。 一方、好んでスタンレイ社(工作用)を使用しているアメリカの有名奏者も居ますので、どののこぎりを使うかといったことについては、全く個人の自由です。 top |
| ・刃は付いているの |
| 楽器用に関しては、ギザギザにカットしてはいますが、目立てはしていません。 つまり「刃」は付いていません。 以前見せて頂いたものの中には、ギザギザさえ無いのもありました。 また、工作用では言うまでもなく勿論付いてます。 top |
| ・購入方法は? |
| 工作用でよければ、ホームセンターや工具やさんで手に入れることが可能です。但し、工具やさんの場合、西洋のこぎりはなかなか見つけられませんが・・・ 楽器ように関して言えば、唯一「ヤマハ渋谷店」にて「MUSSEHL&WESTPHAL」が購入出来ます。 もっとも最近はインターネットで海外から直に購入する方も増えてるようなので、それに関しては他のサイトを参考にして下さい。(自分はネット購入したことがないので残念ながらよく知りません) top |
| ・どの位響くの? |
| 詳しく調べたわけではありませんが、環境条件によって全く変わります。 自分の場合、以前家の中で練習したとき、同じ条件でピアノは外に聞こえないのに、のこぎりはよく聞こえた。ということがありました。 この辺の事情は、自分が外から聴いてないのでハッキリとお答え出来ません。すいません・・・ 音量的には、リコーダーに近いと思います。 また、ホール(会場)での演奏にしても、音響のしっかりしたところでは、とにかくよく響きます。1000人規模のホールでもしっかり聞こえます。 一方、和室のような音を吸収するようなところでは、数メートル先でも聞こえなくなるときがあります。 屋外に至っては、風なんか吹いていたりすると(風下以外は)とたんに聞こえなくなったりします。 top |
| ・伴奏楽器は何が良い? |
| 特にこれでなきゃダメ、というものはありませんが、普通に演奏することを考えた場合、ピアノかギターがよいでしょう。 ピアノ、ギターは音色的にも相性が良く、またそれぞれ伴奏楽器としても優れてますので、演奏者の好み、または曲目や演奏場所に合わせて何を使うか考えるのも楽しいと思います。 反対に、笛やラッパなどの管楽器は伴奏には不向きです。(というより伴奏にならない) 特に笛の場合、音の特性がのこぎりと似てくるため、ちょっとしたズレが不協和音を生むことがあります。 同様に考えると、リード楽器(オルガン、アコーディオン、ハーモニカ等)も気を付けた方がよいように感じますが、伴奏としての使用の場合、自分は過去に不快を感じた記憶がありません。(もっとも、殆ど経験もしていませんが) まあ、まずはピアノ、ギターから始めてから、いろいろなものを試してみるとよいと思います。 またその結果や感想など、是非お聞きしたいです。 top |
| ・合奏は出来るの? |
| 楽器ですから、基本的には出来ます。 ただし、のこぎりの特性を考えた場合、絶対音がとれないと綺麗なハーモニーというのは非常に難しいと思います。 でも、そんな難しいことを考えなくても「大勢で弾く」という行為自体とても楽しいことなので、是非合奏をして楽しんで下さい。 また、のこぎり同士ではなく他の楽器とのアンサンブル(テルミンは除く)でしたら比較的容易に出来ると思います。是非いろんな仲間を増やして楽しみましょう。これは私自身にも言えますね・・・ top |
| ・楽器のお手入れは? |
| まず、この楽器は「水分」も油分」も嫌います。 「水分」については、錆びるから。と容易に想像できますが、「油分」に対しては?これは表面に油膜を作ることによって音の響き(余韻)を殺してしまうからです。 ということで、基本的お手入れは、弾き終わったら乾拭き。これにつきます。(それでも私のは相当錆びてますけどね・・・) 表面をキレイにしておきたいという人でさび止め用のクリームを縫ってる人もいます。おそらくトーンダウンした感じにはなると思いますが、音自体は出ます。 ただし、ものによってはのこぎり表面のプリントを消してしまうこともあるので、それにはご注意を。 top |
| ・早い曲は弾けるの? |
| 最近よく聴かれる質問。 正直なところ、「出来ません」とは極力言いたくないんですが、当然限界はあります。 鉄板1枚を曲げたり戻したりして音階を作るので、自分がやってるつもりになって判断して下さい。 更に細かいこと言いますと、早いといってもリズムだけで、メロディは同じ音を刻み続ける というような場合でしたら、結構な早さでも対応できると思います。 逆にそれほど早くないんだけど、音の動きがやたらとハデ でしたら難易度高いですね。 じっくりとトライしてみて下さい。 top |